Vol.7 耳管開放症 第2話

からだの健康

皆さん、こんにちは。

前回から語り始めた、耳管開放症の話、第2話です。

第1話は、耳管開放症とは何ぞや、というテーマで綴りました。

今回は、ザ・手術、ということで、あまりメジャーな手術には上がってこない、耳管開放症の手術について語ります。

少しでも、この症状に悩まされている方の助けになれば幸いです!

私は、両耳に症状がきつく出るので、左右共に手術をします。この記事執筆時は、右耳の手術が終わって1ヶ月半が経ったくらいの時期です。近々診察してもらい、術後経過が順調なら、左耳手術の予定を立てる流れです。

 

第1話 耳管開放症とは何ぞや
第2話 ザ・手術
第3話 色々見えた話

 

耳管開放症の手術の内容

前回の復習ですが、耳管開放症は、耳管が開いて空洞が広くなり、音が響いてしまう症状です。

これを解消するために、耳管ピンというシリコン製のYの字型ピンを、耳管に挿入して、耳管の空洞を狭めるのが、この手術です。

手順はこの通り。

①耳の麻酔

②鼓膜に切り込みを入れる

③鼓膜の切れ目から耳管ピンを耳管に挿入

④鼓膜の切れ目を、キチン膜で閉じる

⑤できあがり

手術の成果としては、短期的には、

・10の症状がゼロにすることを目指す手術ではない。いくらか症状出ると思われる。

・ピンを入れた違和感、痛みがあるかも。

・耳管に炎症が出たら、水が中耳に溜まってしまうことがある。(診察すればすぐに対処できる。)

とのこと。

また、長期的には、歳をとると体の水分が抜けて、自然と耳管が広がるため、ピンのサイズアップ(再手術のうえ、ピンの交換)が必要になるかもとのことでした。(納得)

このような説明を受けて、手術の承諾にサインし、私の前に何人か手術してるようで、待機。

意外と手術する人がいることに気づきました。

 

耳の麻酔

麻酔には局所麻酔と全身麻酔があります。結論から言うと、私は局所麻酔をお願いしました。

先生いわく、両耳一気に手術する場合は、全身麻酔とかすることもあるそうです。ただ、全身麻酔なので、入院する必要があると。

私は片方ずつ手術するので、局所麻酔。

この局所麻酔というのを初めて経験しました。横になった状態で、手術をする右耳に薬液を入れて、電気をわずかに流して、鼓膜付近の耳に麻酔をかける方法です。(正式な名前を忘れました)

麻酔が始まると、耳がジン、ジンと痛い感覚がありました。

看護師さんから、「ちょっと気持ち悪くなることもあるからねー」と言われていました。

私はそう言われてもあまり気分が悪くなったりすることが少ないから大丈夫だと思ってましたが、気持ち悪くなりました。笑

緊張の影響もあったかもしれませんが、横になった状態でのめまい(ぐわんぐわん、回るタイプ)がして、呼吸が上手くできない感じでした。

若干パニックだったのか、酸欠な感じなのか、呼吸が浅いな、と自覚できたので、とりあえずゆっくり深呼吸して落ち着きを取り戻しました。麻酔時間は大体15分です。

麻酔が終わったら、体を起こして耳の液体をティッシュに出して、診察に呼ばれるまで待機してました。

 

鼓膜に切り込みを入れる

呼ばれるのを待って、先生の前の椅子に座り、右耳を差し出して、手術開始!

始まる前に、麻酔追加。笑

普通に注射の麻酔でした。微妙に痛いので、いてててて、と声を出して痛いアピールしておきました。

じゃ、鼓膜切るねーと言われて始まりましたが、耳にメス的なものを突っ込んでる最中に先生から、「ちょっと大きい音するよ〜」と言われ、「ん!?大きい音!?」と聞き返してしまいました。

どんな大きい音がするのか、戦々恐々としました。

私が想像したのは、風船が割れたときのような、パン!って感じかと。

実際は、バリバリ、バリバリ…という音。耳掃除した時に、耳の深いところで耳垢を探り当てた時に聞こえるような音。笑

鼓膜に穴が開くと、確かに一気に耳の圧が抜けて、周りの音が明らかに遠くなるのがわかりました。

ちなみに、鼓膜を切ったことによる痛みはなし!

 

鼓膜の切れ目から耳管ピンを耳管に挿入

ついに、ピン入れ!サイズが豊富にあるのですが、私は下から2番目のサイズの4号。

スッとスムーズに入ってくれるのかと思ってた反面、普段物が入らない所に異物が居候し始めるわけで、めっちゃぐりぐり押し込まれました。

これは、痛かった。耐えられない痛みではないですが、初めて痛みを感じるような場所なので、ちょっと怖さもあり、いててー、あたたと、先生に痛いアピール再開。

痛いアピールは華麗にスルーされ、無言でぐりぐりされ続けました。笑

 

鼓膜の切れ目を、キチン膜で閉じる

終わったらさっさとキチン膜で鼓膜を閉じられました。(初めの頃、ずっとチキン膜と読んでました…恥)

これは本当に一瞬で終わりです。

ちなみにこの膜は、時間が経つとぽろっと剥がれるようですが、術後1か月半くらいの私の鼓膜にはまだ付いています。

 

できあがり

手術直後、先生から症状はどうかと聞かれましたが、慣れない感覚やら痛みやらでよく分かりませんでした。

なにより耳もだけど、喉が痛い。喉の奥が、ちくちくしてかゆい感じでした。

慣れない痛みの感覚のせいで、動かしたらダメな気がしていました。笑

耳の聞こえが良くないので、後で馴染んでくるものか、不安に思って先生に質問したら、

「うん!まぁね、」と軽い感じのお返事が。(実際、3~4週間経ったころに、耳の聞こえが明瞭になってきました。)

2週間後に診察の予約を入れ、術後経過を見て、左耳の手術の時期を決めることに。

すぐに反対耳の手術をするよりも、今回入れたピンが外れてないか、水が溜まってないかとかを確認する必要があるみたいです。

術後、しない方がいいことはあるのかを聞くと、特にないとのことでした。当日のお風呂で耳に水が入らなければOK。

 

手術代¥

私が手術に踏み切るタイミングでは、ネットで調べても、手術代の情報が見当たらず、いくらかかるのか、不安でした。

今回手術をして初めて分かったので、私の場合を共有します。

 

¥67000 (手術そのもの以外に、診察・麻酔込みです。)

 

私の通った病院はカード払いができたので安心です。

 

術後その日の状態

この病院での処方箋をもらうシステムが分からなくて、キョロキョロしてたら、受付の方からどうかしましたか、と不審がられ気味に?心配の声をかけられました。

そういう風に見られるくらい、第三者から見れば不安そうな様子だったのかもしれません。

それはそのはず。

この時の私の精神状態を整理しておきます。

耳・耳管・のどの痛み
右の聞こえが悪い(やや遠い)
ひたすら不安
これら以上に、耳管開放症の症状がどれだけ改善するかというわくわく感・期待

期待に胸を膨らませながらも、実際には痛みや聞こえの悪いの感覚が勝り不安が前面に、という状態でした。

ここからバスと電車を乗り継いで帰宅。

その間に、家族に手術完了の報告をし、自分の気持ちと状況の整理をしました。

手術後でも腹は減る!笑

近所のスーパーで鴨そばを買って帰りました。

味がしない…。(スーパーのそばが原因ではなく、おそらく麻酔と手術の影響。舌の右側面の感覚が鈍い気がした覚えがあります。これは次の日には解消されました!)

夜の私の状況

耳・耳管・のどの痛み
頭痛・頭が重い(何なら全身だるい。疲れただけかも?)
味覚の鈍さ
微熱

こんな状態でしたので、爆睡しました。

 

感想

何にせよ、耳管の手術という、私にとって未知の領域に片足突っ込んだ状態ですが、この手術後数週間は、耳の聞こえのことを中心に不安になることがありました。

しかしながら、耳が馴染んで、平気になったら、どれだけ改善されるのか、これまでの苦しみから解放されるのかを想像すると、本当に希望が見えました。

手術することで、耳管開放症の症状から解放されることを知るまでは、本当に不安すぎて生活や仕事に制限があることに絶望気味でした。

仕事中に、人と話しているといきなり自分の声が大きくなって聞こえて、耳の感覚もおかしくなって、イライラしては、それを抑えるために首を傾けたり指圧をかけてみたり試行錯誤する毎日でした。片方の耳の症状が落ち着いたと思ったら反対耳からも症状が出て、最終的には両方同時に症状が出て…。プライベートでもそうです。歩いているだけで症状が出る。話をしていなくても、呼吸音の響きがイライラします。食事をしていても、顎を動かすと症状が出る。スポーツも散歩も満足にできない。

生活のすべての質を下げるこの症状に切なく悲しい思いをしていたのが、最大ゼロになる。そうでなくても半減は見込めると思えば、この手術もやらない意味はありませんでした。

1か月半くらいが経った今では、右耳は快適です。(たま~に症状がでますが、軽いです。ほとんど出ません。手術をしていない左耳は通常営業で症状出ますが。笑)こんなにも違うものかと感動しています。

はやく左耳も手術をしてしまいたいと思っていますが、病院の先生いわく、まだ右の鼓膜の切れ目を覆った膜がくっついていて、鼓膜の傷が治っているかが分からないから、とストップされています。先生の指示に従いながら、このまま続けて左も解消できるようにしていきたいと思っています。

 

次回、第3話 色々見えた話、ということで、術後今に至る状態の変化や、手術待ち時間に思ったことなど、共有したいと思います!

Vol.7 完

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